つながるレストランとは、

神戸の農家さん、漁師さん、養鶏や畜産、酪農家さんなど、「種はおよぐ」のこれまでの取材やイベントでつながった生産者さんの食材を、「種はおよぐ」メンバーや神戸のシェフが調理し、生産者の方々ともに神戸の里、山、海の食材が生まれる場所を会場にして一日限りのレストランを行うという企画です。

第2回のつながるレストラン山編は、11月6日(日)神戸市西区櫨谷町で行われました。


以前取材した「田の樹んフルーツ」のメンバーである石野さんの挨拶から、
第2回つながるレストランが始まりました。

石野さん

石野さん:初めましての方もいらっしゃるかと思いますけれども、田の樹んフルーツのメンバーのひとりになります、石野と申します。今日はよろしくお願いします。
あともうひとり、実はこの家の前でイベントするんですけれども、この家に住んでおられる・・・・

加藤さん

加藤さん:加藤です。よろしくお願いします。

石野さん:「田の樹ん」の紹介等は、またお食事終わった後でゆっくりしたいと思っていますので、まずは私たちが栽培している果実の方を見ていただこうと思っています。少し歩きながら散策したいなと思っていますので、よろしくお願いします。

山内さん

山内さん:今回お料理をしていただく、種はおよぐのメンバーでもあるんですけども、京都の南山城村で「山のテーブル」というレストランをしている對中さんです。
あと、料理家の森本由美さんです。神戸の塩屋で「TANEto」というスペースを使って、料理をしていただいています。
また、後でお二人から料理の説明があると思いますので。

右から 對中さん・森本さん

對中さん:今日は田の樹んさんの野菜とか、神戸のオーガニックの生産者さんの根菜類が中心なんですけど、すごく美味しい野菜です。芋類は糖分が高いです。今日は凝った調理ではなくて、蒸すとか揚げるとか焼くとかシンプルな調理にして、今日はたくさんソースを作ってきていますので、それをつけて召し上がっていただきます。
ソースの合わせ方によって素材の感じ方が違ってくると思います。その辺を今日は楽しんでいただけたらなと。
で、メインの魚とあと田の樹んフルーツさんのお三方が作られているお米がありますので、ごはんと味噌汁ですね。これらが順番に出てくるというような流れになっています。
なので、お腹を空かせて帰ってきていただければと思います。よろしくお願いします。

山内さん:神戸市の松嶋さんから、種はおよぐについての簡単な説明をしてもらいます。

松嶋さん(後ろ姿・・・)

松嶋さん:神戸市は、今日ここに来てもらったように、農村とか、あと海の方に行けば漁村とか、中央区に行けば大消費地があります。そういった特性を活かしたまちづくり「食都神戸」というものを神戸市は進めております。
その一環として「種はおよぐ」では、對中さんや森本さんのような料理家の方であったり、イラストレーターの方であったり、写真家の方であったり、そういった方が農漁村の魅力だとか課題を「種」として拾い上げて、それの課題解決とか魅力発信を行っていくというのが「種はおよぐ」という事業になっています。
今日参加いただいた「つながるレストラン」は、「種はおよぐ」の中で、生産地において、皆さんのような消費者の方と生産者の方、あとは料理人の使い手の方が一堂に会する場があればいいよねという話がありまして、そこから始まっています。
なので、今日は皆さん、生産地において、生産者の方・料理人の方と話をしながら食事を楽しく召し上がっていただけたらなと思います。

石野さん:では、今から散策に行きます。

今回キッチンカーを手配しました。参加者が散策している間に急ピッチで料理の準備!

一つ目の畑(レモン・オレンジ)

加藤さん:ここが田の樹んのスタートと思ってもらえたら、初めここから作業し始めたので思い入れはあるかなぁと。実は年に一回なるかならないか。まあまあ気長にやりたいなぁと。
で、一番奥にいちじくを植えまして、小さい実が今なっていますね。

二つ目の畑(ぶどう)

石野さん:このぶどうは生食でもいけるんですけども、ワイン用で作っています。
これで今から支柱を上に上げていって、自分たちが作業しやすいようにしていきます。
イメージでは身長ぐらいの高さで、また棚をつないで、ゆっくり成長していきます。

加藤さん:僕らにしたらちょっと使いにくいところがあって、なかなかどうしようもない土地やった。
それを「田の樹んフルーツ」でこういう作業をやることになりました。

石野さん:これはすごい小さい田んぼなんです、実は。今歩いてきてもらったところ、すごい大きな田園風景が広がっていたと思うんですけど、だいたいあの大きさがほとんどです。
で、加藤さんはそれをたくさん持っておられる。それを一人で管理するのは、すごい大変なんですよね。草刈るだけでもすごい大変。そういったところを活用できたらなという思いでやっています。

こういったぶどうが、自分たちに自信がついてきたとき、どこかぶどう園とかで、ちょっとやってほしいなぁみたいなお声があれば、やってみたいという思いはあります。

あと、しいたけもやっているので、後で見てもらえたら。

田の樹んフルーツについて

石野さん:皆さんお疲れさまでした。最後、料理をゆっくりとという形で。これからゆっくりとした時間を過ごしていただこうかなと思います。
で、今見てもらったところ、レモン・ぶどうとか、僕たち3人 「田の樹んフルーツ」というワードが出てきていると思うんですけど、先ほど一緒に歩いていた加藤さんと私ともう一人いまして、丸山さんという方がいらっしゃるんですけど、その方も押部谷の方で畑をされています。で、今二人なのは、丸山さんが地域の清掃をされてて。(後で戻ってきます。)

すごく大事なことでして、私も実は集合時間に遅れて参加という形になったんですけども、私も午前中、地域の清掃をしておりました。

夏場だと朝早い時は6時ぐらいから50〜60名集まって、地域のおじいちゃん・おばあちゃんと草を刈ったりとか溝掃除したりとかしています。

お米とか野菜作るのに、水はすごい大事ですね。その水路を掃除したりですとか、それは誰がやるんやというところで、地域の人たち皆さんがされている。

これは結構、農村あるあるで、毎月のように清掃があります。
丸山さんは通っている畑が2ヶ所あって。

午前中違うところ行かれまして、一回帰ってきて、で今行かれている。
到着は解散ごろになります。私もびっくりしているんですけど。笑

まぁ、任せたと言われましたので。
その方が、今お渡しした文書4枚綴りの文書を書いています。すごいユーモアのある方で、私たちの中では、丸山さんなしでは、この田の樹んフルーツはないかなぁと思っている方です。後ほど、皆さんが解散される前にお会いできるように、最後、語ってもらおうかなと。そういう方がいらっしゃって、その3名でしております。

石野さん:説明にも書いてあるかもしれないんですけど、丸山さんが押部谷で就農されて農業されて6年目となります。で、私も農業始めて6年目、西区の神出町というところで農業を営んでおります。

先ほど回ってきた畑もそうですし、こちらもそうですし、この後ろの場所もそうなんですけど、この土地っていうのは加藤さんが代々継がれてきた農地ということになります。

すごいたくさんの農地を持っておられるので、私たちは、すごいなと思っています。

その時に丸山さんが果樹をやらないかと僕に持ちかけてきまして、果樹ってすごい難しいんですよね。
今見てもらったとおり、実が一つもなっていない、まだ。すごく難しい。一人一人、僕も果樹、個人でやったことあるんですけど、とても手に負えない。
野菜だけでいっぱいいっぱい。ということだったので是非とも果樹はやりたいというところで、一緒に丸山さんとやりたいなということで始まりました。

自分たち二人だとまだ農地も探さないといけない、誰かいないかなというところで話しかけたのが加藤さんです。

加藤さんはすごいたくさん持っておられて、ここ草刈るだけでもすごい大変なんですね。

一日ぐらいかかります。なので、余っている農地というか有休農地をなくすために私たちはこういった活動をしておりますので、実がなってこれはいくらみたいな状態ではないんですけども、こういった田園風景を守っていきたいなという思いがあって果樹をやっています。

田の樹んのフルーツのモットーというのが、「農業を楽しく」です。
私たち3人が楽しかったらいいかなと思いながら普段やっておりまして、3人でできることをコツコツとやっていますので、大きく立派に見せれるものはないんですけども、コツコツとやってきて3年目、結成して3年目になります。

暖かく見守っていただけると私たちはありがたいなぁと思っております。
で、ほとんどここに載っていますので是非読んでいただければと思いますし、質問等あれば直接聞いていただきたいなと思っています。

菌床しいたけ収穫体験

石野さん:今から、一組ずつこの後ろにある白いビニールの中にしいたけがあります。菌床しいたけがあるんですけども、そちらを今日2つぐらい採って今日の料理に使っていただけるということなので、収穫体験をひとグループずつやっていきたいなと思っています。

いざ、ビニールハウスへ。

加藤さん:これで、だいぶ間引きというか、もっと小さい段階で省いているんです。重なり合って形が悪くなるんです。で、今見てもこれとか傘が開ききっている、これはもう採り遅れ。傘がキュッとなっているのがいい、採りごろ。

加藤さん:採る時に、手でちぎるんですけど、あまり雑に採るとこっちがえぐれてしまうので、根元を持ってあまり底を取らないように。
傘は開いていても味は変わらない。見た目だけ。

底と根元がくっついていて、取りにくかったです。

石野さん:今からくるお米もそうなんですけど、全部無農薬でやっています。そこだけはブレないようにしながら僕たちは活動しています。

モットーは楽しく、何があっても。一回も喧嘩したことがない。めずらしいと思うんですよね。農家のグループでここまでワイワイやれているというのはめずらしい。

もちろん自分のところがありながら、なので、週一回ぐらい集まりがありますかね。
週一回、例えば火曜日の午前中に作業、それがあかんかったら木曜日にとか、コミュニケーションを取りながら毎週活動しています。

これが私たちの活動になりますね。何かしらしてますね。今週に至っては4回ぐらい会っている。あれ、どっちが自分の畑かなぁ?って。

山内さん:田の樹んフルーツさんは新規就農者に入るんですか?

石野さん:新規就農者ですね。全員、新規就農者。加藤さんも一旦働きに出られているんです。なので、新規就農者です。大皿さんのナチュラリズムさんで研修して来られましたので。

山内さん:農業が楽しくというのがポイントですね。

石野さん:そうです。だいぶポイントですね。楽しくないことはあまりしない。

多々良:丸山さんの田の樹んフルーツ紹介文に、次チャレンジしたいことが、コーヒー豆って書いてますね。

石野さん:あれ、そんなん書いてます?あぁ、コーヒーねぇ。コーヒー作るんですね。作りましょう。まぁ、前からコーヒー作りたいという話はしていますね。やっぱり一人でできないことをやりたいかなと、3人だから。

料理 一品目「新鮮なサラダとフライドポテト」

新鮮なサラダ
フライドポテト

森本さん:紫色の野菜がトレビスと言って、すごい大きいサイズで、ながた農園さんから届けていただきました。めくるたびに中の色が濃くなっていてすごく美しかったので、苦味もあると思いますが、できればそのまま味わって食べてみてください。

森本さん:あと、ベビーリーフはナチュラリズムさんの大皿さんのところのベビーリーフです。なるべくそのまま食べて味わってもらえたらなと思います。

對中さん:前にあるドレッシングは、かけてもかけなくてもいいです。いっぱいあるので、ぜひ一皿そのまま食べていただいて、おかわりしてください。で、ソースで楽しんでもらえたらと思います。

みんなでいただきます!

子どもたちもお野菜を美味しそうに食べていました。

料理 二品目 「蒸したイトヨリと蒸した根菜」

對中さん:大根や薩摩芋、カボチャなどを蒸し器でじっくり蒸しました。

芋類は低温でゆっくり加熱すると糖分が増すって言われていてます。
石焼き芋を想像してみてください。
蒸し器の場合は1時間くらい。
今日はオーブンではないですが、オーブンの場合は130度くらいで1時間。その後、150-160度ぐらいで水分を抜いてあげるとより甘くなる。
芋全体が蜜のようになります。

イトヨリはハーブをお腹に詰めて蒸しています。
ゆみさんが作ってくださったタイ風のドレッシングがすごく合うと思います!

料理 三品目 ごはん・味噌汁・かき揚げ・柿とチーズの天ぷら

ごはん
味噌汁
柿とチーズの天ぷら
かき揚げ

對中さん:人参の葉をかき揚げにしました。
また加藤さんの柿にチーズを挟んで天ぷらにしました。
味噌汁に入っている大根は、丸山さんの大根。
味噌は大皿さんの味噌と山のテーブルの味噌のブレンド。 
このお米が田の樹んさん3人で作られているお米です。めずらしいお米なんですよね、これ。

間に合った丸山さん

丸山さん:僕らが作ったお米です。
この間、収穫して一晩寝かせて乾燥機かけて、籾殻取ったばっかり、本当に出来立てほやほやのやつです。品種は、ほとんどの方が初めて耳にするかもしれないけど、「ハツシモ」と言います。カタカナで「ハツシモ」と言います。

だいたい霜が降りる頃に収穫するので「ハツシモ」という名前になっています。昔は幻のお米と言われていたけど、岐阜ではどんどん上に上がってきている。特徴といえば、コシヒカリみたいに甘さはなくて、むしろ一粒一粒を粒立ちさせた、よくお寿司に使われるような。だから粒揃いという言葉は寿司米からきたと言われるぐらい。自慢の一品です。

談笑している石野さん

丸山さん:皆さん今日はありがとうございました。初めてお会いする方もいらっしゃいますし、田の樹んフルーツを立ち上げの時から応援してくださっている方もいて、今日は素敵な素敵な出会いだったと思います。

僕ら田の樹んフルーツは、作って3年目なんですけど、これからも子ども達とか地域の人と交流したり、自分たちの好きなものを作っていったり、どんどん面白いことをやっていきたい。また、皆さん折に触れて出会えたらどんどん絡んで行けたらいいかなと思います。

今日これを企画してくださった「種はおよぐ」。僕らが立ち上げの頃から取材していただいたり、交流をとってくれたりして、一緒に僕らの歩みを見てくださったプロジェクト、チームでもあるんです。

そんな人たちが今日、ここで「つながるレストラン(山編)」ということで僕らを
フィーチャーしてくれたので、本当にうれしいし、粋に感じるところもあるし、久々の再会ということでうれしいと思います。

で、今日は對中さんから素敵な夢の話も聞けて、今後そんな夢を追いかけていきたいなと思います。たくさん料理を作って準備してくださった「TANE to」の皆さんも本当にありがとうございました。

あと、對中さんと森本さんと準備段階からいっぱいいっぱいやり取りして、美味しい料理作ってくださって、ありがとうございました。

對中さん:今日、お土産があります。自由に自分でセットにしていただいて、きのことごはんとかいろいろチョイスしてください。

鶴巻さん:第3回2022年12月3日(土)垂水漁港で海編がありまして、もっともっとお魚メインでやる回になると思います。

對中さん:第3回垂水漁港ですね、そこで漁師さんの話を聞いたり、当日競りをしていますので、競り見学して、そこで魚を選んでいただいて、それをみんなで調理するという回になると思います。ぜひご参加ください。