参加いただいた方に神戸の食と里のネットワークについて考えていただくワークショップ。この日は5班にわかれて、神戸の街や里に「あるもの」「ないもの」を出し合い、神戸の魅力や課題、これがあればこんなことが出来るんじゃないかといった希望など、発表することで、みんなが普段なにを考え、どのようなことを見えているのか知る機会としました。こちらのキーワードから今後、〈種はおよぐ〉で勉強会のテーマや検証を行って行きます。

A班

「あるもの」

  • 地域の中での小さな単位のコミュニケーションがある。
  • イオンがたくさんある。
  • 理解のある農政関係者がいる。

「ないもの」

  • 地域の食材を使ったレストランが少ない。
  • 若手で飲食関係の仕事に就きたい人が減っている。
  • 地域食材の安定供給も課題。

イオンなどのフランチャイズ系の大型店舗は都市にも里にも多くある。ただメリットデメリットはあるが、敵対視せず、店舗とも話し地域の物を扱ったり、その地域で出来ることを高め合うことが大事だと思いました。

Keyword

  • #飲食関係の人材減少
  • #地域食材の安定供給
  • #農業の後継者不足
  • #イオンの地域食材コーナー

B班

農家や猟師、カフェの店員をしている方のチームです。利用したい方がいる一方、利用できる仕組みや場所がないのではと考えました。

「あるもの」

  • 街に暮らしながら菜園をしたい方がいる。
  • 都市に菜園がなく、都市に近い里に菜園があれば都市と農村がつながると思う。

「ないもの」

  • ジビエの処理場が神戸にない。
  • 処理を迅速にどこでも出来き、レストランなどにも流通が出来るものとしてジビエカー(移動式解体処理車)が欲しい。
  • 街に住む人が里と近くなるために北区の空き家や空地を滞在&交流スペースが出来ないか。

今後つくるWEBサイトでは、農家さんのお手伝いなどが出来る情報や農家さんの商品が買える仕組みが欲しい。また農家さんもどんな方が食べているのか知りたいのでお互い顔の見える関係づくりが必要。

Keyword

  • #ジビエカー
  • #地域菜園
  • #クラインガルテン
  • #空地活用
  • #地域コミュニケーション
  • #生産者と消費者互いの顔が見える関係性づくり

C班

たまたま皆さん職業が異なる方が一緒になりました。そのためイメージがバラバラなので里という定義を都市と対比をさせてにすり合わせを行いました。

「あるもの」

  • コミュニケーションの場が多い。
  • マーケットや市場。
  • つなげるものという考えでは食器も。
  • 里にしかないキーワードとしては自然と食が密接につながっていると考えました。

「ないもの」

  • 都市の中では仮想通貨や仮想空間というものがありますが食と里という概念では仮想空間はない。
  • また毒と書きましたが、食の大量生産大量消費につながる考えもなく、食材が豊富な里では食品添加物や保存料といったものも不必要となる。
  • また病気とも無縁な暮らしになり強くなると考えました。

Keyword

  • #仮想空間
  • #食品添加物
  • #保存技術
  • #インバウンド
  • #無駄にしない生産量

D班

たまたま皆さん職業が異なる方が一緒になりました。そのためイメージがバラバラなので里という定義を都市と対比をさせてにすり合わせを行いました。

「あるもの」

  • 北区や西区は都市との距離が比較的近く人口も多い。
  • また海や山にも近いことからポテンシャルが高い。
  • そのため活用できる空家はポジティブに思える。
  • 学校給食などでも地域の食材が使われている。

「ないもの」

  • 日常的に農家さんの野菜を直接買えるファーマーズマーケットやレストランような場や機会がない。
  • またイベントの情報が足りていない、誰が発信しているかわからないため集客につながらない。
  • 田植えイベントなどをしても売上に繋がらず継続が難しい。
  • 北区や西区で伝統や技術に触れる場がない。それが地域のブランド力になるのではないか。
  • 公共交通機関がないため車がないとスムーズに移動できない。

Keyword

  • #ファーマーズマーケット
  • #過疎地域の交通課題
  • #農業イベントの情報
  • #海も山もある
  • #伝統技術
  • #直取引レストラン

E班

このチームは女性が多く、みなさん食をテーマに仕事をさせている方が集まりました。

「あるもの」

  • 神戸の伝統はいかなご。漁獲量が激減し価格も高騰しているが、人によっては100キロほど炊き、全国の友人に送ったり神戸の友人と交換したりしてコミュニケーションのツールとなっている。
  • 高額の商品をただで上げるというのも不思議な文化。
  • ただ、いかなご以外で特産品で交換文化がなくいかなごに変わるものもあればと思いました。
  • また、ホテルで地域野菜のマルシェをスタート。すると宿泊客でなく地元の方が来るようになり、企業が独自のまちづくりの起点となっている。

「ないもの」

  • いかなごのくぎ煮など教えてくれる場や聞ける機会がなかったり、地域に入るハードルが高くつなげる人も必要に思いました。

イオンなどのフランチャイズ系の大型店舗は都市にも里にも多くある。ただメリットデメリットはあるが、敵対視せず、店舗とも話し地域の物を扱ったり、その地域で出来ることを高め合うことが大事だと思いました。

Keyword

  • #いかなご
  • #いかなご高騰
  • #交換文化
  • #地域の学びの場
  • #人と人をつなげる人

総評

参加者それぞれの仕事や環境を元に「あるもの」「ないもの」がたくさん挙げられました。 どのチームも共通の意見として、「あるもの」には都市と里、海が近い距離にある珍しい街である。 そして身近に自然がたくさんあり、田畑や牧場もある。などが挙がり、「ないもの」には近郊に農家さんや農園があるにもかかわらず、出会う機会や情報がない。また地域の食を学びたいのに学ぶ機会や地域の人とつなげる仲介となる人がいなかったり。などが挙げられました。

これらの意見から、都市と里で抱えるそれぞれの課題が、「あるもの」をより深く掘り下げることで解決できるのではと感じました。例えば里に多くある「空家」は、コミュニティや地域活動の舞台に活用できる。ただ空家の情報や仲介できる人がいないことで活用しきれずにいるため、情報の不足や困りごとを伝える手段を検討する必要がありますが、課題を挙げ、問題点をひとつずつクリアにしていくことの大切さを改めて感じました。 〈種はおよぐ〉では今回の意見をもとに、地域課題や農業の担い手、移住や観光のきっかけとなるプロジェクトやイベントの発信やつなぎ役としても今神戸で起こっていることを伝えてまいります。