怠惰な人類のための農ある暮らし開発研究室(怠農研)、第ニ弾です。今回は農作業の手伝いに来ている若者!?に密着取材。お楽しみくださーい。
片岡さん:こんにちは。前回に引き続き、今日は『怠農研』のお話をまた聞けるということで、前回話に出てきた畑を手伝いに来ている髭のおじさん(種はおよぐメンバーの岩本)がいるみたいなので、鶴巻さんに加えてその方の話も聞いていきたいと思います。
怠農研を体験してみて その1
鶴巻さん:こんにちは。
片岡さん:隣にいる方が、45歳の髭のおじさんですか?
岩本さん:よろしくお願いします。
片岡さん:本当に45歳なんですか?
鶴巻さん:見た目だけですよね。
片岡さん:実際は何歳なんですか?
岩本さん:実際は29です。
片岡さん:(笑)詐欺やな。
岩本さん:あんまりうれしくない詐欺ですけどね。
片岡さん:一緒に牛糞を撒いたらしいじゃないですか。
岩本さん:そうですよ。一輪車で。田んぼに足を取られながら。
片岡さん:一日で終わった?
鶴巻さん:ええとね、2時間半くらいで終わって。
片岡さん:ああ、意外と速く。
鶴巻さん:はい。一人でやると5時間かかるところなんで、助かりました。
片岡さん:そうですよね。だいぶ助かってますよね。
鶴巻さん:けっこうね。それから、今回はお薬を巻かなかったんで、草引きの作業も2週間に1回。まじめに来てくれてました。
岩本さん:行ってましたね。
鶴巻さん:最近ちょっと悩みがあって。
片岡さん:はい。
鶴巻さん:最近来ないんですよ。
片岡さん:(笑)
岩本さん:いやー、なんか。
片岡さん:今日も酒抜きに来てるぐらいの感じって聞きましたけど。
岩本さん:そうっすね。今日も朝、来るのやめようかなと思いましたけど。
片岡さん:(笑)
岩本さん:やっぱり、2週間に1回というリズムで、どっかまではいけたんですよ。1回抜けると、次も抜けはじめて。
片岡さん:でも『怠農研』やからね。
岩本さん:まあね。そういえば参加者が増えたんですよ、一時期。
片岡さん:ああ、それはでも良いことですね。あ、それにまかせて俺はもういいかなくらいの感じってことですか?。
岩本さん:そうそう(笑)。
片岡さん:あかんやん(笑)。
岩本さん:いや、これまでは鶴巻さん一人で作業するん、ちょっとやばいなって思って行ってたんですけど。あと二人ぐらいおんねやったら、まあ抜けてもいけるかなみたいな。一緒に来る人を車に乗せるっていうのがなかったらもうええかなってなって。まあなんとか来れましたけど。
鶴巻さん:実はね、けっこういい奴なんですよ。ふつうは、人数いたらワイワイ楽しくできるから行こうってなるんですけど、彼はたぶん危機的な状況に追い込まれた方が、『助けなきゃ』ってなるから『行こう』っていう。
岩本さん:そうなんですよ。
片岡さん:(笑)人のために動ける人なんですね。すごいですね。
岩本さん:いやいやいや(笑)。
片岡さん:(笑)
岩本さん:でも、役割がないと行き続けない感じはありますよね。
片岡さん:なかなか続けるのは難しいですもんね。
どうすれば参加しやすくなる?
鶴巻さん:僕の仮説に、役割を与えすぎると『本業あるのにどうしても行かなきゃ』ってなって結局全部やめちゃうというパターンがあって。だから、2週間に1回来てくれた時にやって欲しいことを伝えるくらいにしておいて、あんまりお互いプレッシャーをかけ合わない方が長く続くかなって思ったんです。でも彼は逆に、『本当にやばいから来てほしい』くらいの方が合ってた。
片岡さん:モチベーションになるんや。
岩本さん:そうですね。行かなくても罪悪感を感じなくていいのは、続けやすいですよね。
鶴巻さん:僕の仮説と来てくれてる人の思ってることはけっこうズレたりするんで、それが面白くて。ゆるい人が来たいときに来れていいのかなと思うと、役割はちゃんとした方がいいって人もいるし。僕と一対一のほうがやりやすい人もいれば、3〜4人でワイワイしたい人もいるだろうし。どうしたら一番続けやすいかは、今後も考えていきたいです。
片岡さん:人を見ながらやるしかないって感じですよね。
鶴巻さん:そうですね。
岩本さん:二人でやるとまあまあストイックになりますね。
鶴巻さん:なるね。
片岡さん:(笑)
岩本さん:途中から会話なくなるんですよ。
片岡さん:お互いに集中しすぎて。
岩本さん:集中というか、けっこうしんどいですよね?
鶴巻さん:あと彼が来たのは夏場なので。10分で汗べたべたみたいな。
片岡さん:(笑) まあ実際に体動かして、しかも炎天下で日除けもなくてみたいな感じになったら、しんどい作業ですよね。
鶴巻さん:そうですよ。
岩本さん:逆にそれはそれで途中から楽しくなってきました。
鶴巻さん:うんうん。一回ピーク超えると、朦朧としてきて楽になってくる。
岩本さん:で、三人四人になってくると、意外とそのピークを感じる間もなく作業が終わっていくから。
鶴巻さん:うんうん。
片岡さん:ごめんなさい、今さらなんですけど、髭の方は何をやられてる方なんですか?
岩本さん:あ、僕、写真録ったりとか。
片岡さん:ああ。お名前は?
岩本さん:岩本です。
片岡さん:あの噂の岩本さんなんですね。
鶴巻さん:はい、実は。
片岡さん:神戸で噂の岩本さん(笑) でも、実際カメラマンとか、デスクワークも多いですもんね。現場に行くことも多いけど。実際そうやって体を動かして作業するってことはなかなか体験できないですもんね。
岩本さん:ないですよ。だから田植えやって、牛糞撒いて、有機野菜がいいよねとか、有機の米がいいよねっていう、あの気軽な言葉に対して憤りを感じるようになりましたよ。
鶴巻さん:(笑)
片岡さん:(笑)
岩本さん:いやいや。まあまあ大変でしたよ。
片岡さん:まあね。でも食べるときに変わるじゃないですか、それって。それ体験してるのとしてないのと。
岩本さん:ちゃんとその分払えよって思いますね。
片岡さん:そうやなあ。
夕方から農業。部活みたいに。
鶴巻さん:今はずっと岩本くんが朝がいいって言って朝やってるんですけど、参加者の人にどうやったら来やすいかっていうのはヒアリングをしていて。僕の感覚で言うと、朝8時くらいから昼の2〜3時まで家でリモートワークしてもらって、そこから車で畑に来てもらって、本当に部活みたいに夕方からウィー♪みたいな感じで。2〜3時間畑して、カレーを10分で食べてすぐ帰るみたいなのとかどうかなと思っていて。
片岡さん:めっちゃいい、それ。
鶴巻さん:部活みたいなのと、どっちがいいんだろうなっていうのを、考えながらやってます。
片岡さん:実際岩本さんは、朝がっつり肉体労働したあとに、午後仕事って可能なんですか?
岩本さん:あ、8月はふつうに熱中症になって。
片岡さん:あかんやん(笑)。
岩本さん:それ以外はわりとふつうに仕事してました。
片岡さん:ああ。いや、効率的に、上がる?
岩本さん:いや、うーん、まあ、寝てますよね(笑)。
片岡さん:(笑) 一回寝るよね。
岩本さん:一回は寝ますね。
片岡さん:たしかに気分転換、午前中自分の仕事して、午後の夕方涼しくなったくらいから農業をやるっていうのは、サイクル的にはすごく良さそうですよね。
鶴巻さん:そうなんですよ。そういう働き方がしやすい世の中にもなってきてるんで。もしくは、午前中作業したあとに昼ごはん食べて、僕の家で夕方5時くらいまでとか。
片岡さん:ああ、そのまま。
鶴巻さん:仕事してもどうぞ、みたいなパッケージだったらみなさんけっこう来やすくなるんじゃないかなって、いろいろ考えてます。
片岡さん:たしかに。めっちゃいいですね。その農業した合間に、オンラインのミーティング入れてもいいとかもありますしね。
鶴巻さん:こないだ来た女の子はまさにそれをやってました。10時に『私、オンラインミーティングあるから一回抜けるわ』って言って、ミーティングしてからまた畑戻ってきて。
片岡さん:仕事の効率上がりそう。
鶴巻さん:いろんな人にどうやったら来やすいかって、もっとヒアリングしていきたいなっていう感じですね。
片岡さん:とってもいいですね。近くにいてほしいですね。そういう体験できる農家さんとか、すごい増えたらいいな。
鶴巻さん:あと今度は農家側の体制を整えていかないと受け入れがなかなか難しいんじゃないかなっていう理由は、あの、また次の回でお話できたら。
片岡さん:ああ、それは聞きたいですね。ありがとうございます。
鶴巻さん:ありがとうございました。
片岡さん:では、また次回。
続く!